しばしば「乳歯は抜けてしまうからむし歯になっても大丈夫」と思われがちですが、乳歯に炎症があると次に生えてくる永久歯が正しい位置に生えてこないことがあります。
また、むし歯を放置してしまうと、むし歯で空いたすき間に後ろの歯が倒れこんでくるため、次の永久歯がうまく生えることができなくなり、歯並びに大きな影響を与えることになります。
むし歯の痛みがあると、固いものを食べるのを避けたり、食事の量が減ったりして、健全な発育の妨げになることがあります。
むし歯で大きく欠けた歯では、正しい発音ができません。
乳歯を大事にお手入れすることは、その次に生えてくる永久歯につながっていきます。
決して「乳歯は永久歯のこども」ではないのです。
「乳歯は永久歯のお父さん・お母さん」と考えるべきでしょう。
むし歯の予防には
むし歯の予防には正しいブラッシングが欠かせません。また、食習慣の管理も必要です。一般的に塾や習い事などが増えてくると、間食も多くなり、むし歯にかかるリスクが高まります。当院では歯科衛生士によるブラッシング指導・食習慣指導を行っております。 また、むし歯の発生を効果的に抑制することが分かっている物質、それがフッ素です。生えたばかりの歯は一見白くキレイで丈夫に見えますが、実は生えたばかりの歯の質は弱く、むし歯になりやすいのです。それを補って、強い歯の質に変えてくれるのがフッ素です。今は市販の歯磨き粉のほとんどにフッ素が含まれているので、使いやすい、お気に入りの味のものを使っても差し支えないでしょう。
矯正はいくつから?
「いくつから矯正治療を始めればいいの?」というご質問をよく受けます。ひとつの回答例としては、矯正医の専門団体である日本矯正歯科学会では「7歳には矯正相談を受けましょう」と呼びかけています。
ただ、3〜4歳でも歯並びが悪い場合があり、保護者の方には心配されることと思います。乳歯がでこぼこに並んでいたり、上下の歯が反対に噛んでいたり、上下の前歯が噛み合っていなかったり。その中でも、なるべく早い時期から治療が推奨されるものとして、反対咬合、交叉咬合、鋏状咬合が挙げられます。これらはいずれも歯だけではなく、顎を好ましくない方向に成長させてしまうかみ合わせなので、早めに相談されることをお勧めします。
大事なのは、その原因が何なのかを見極め、これからどうなるのかを把握することです。保護者の方のお話をじっくり伺うことで、解決策が見つかる場合もあります。一緒にお子様の将来について考えていきましょう。